【体感実験】窓のフレームは何が違う?素材別で性能と暮らしが変わる話

家の性能を考える時、多くの方が注目するのは断熱材やガラス、そして暖房・冷房設備といった“目に見えやすい部分”です。しかし、実は窓の性能を大きく左右するのが「フレーム(サッシ)」の素材です。ガラス部分ばかりが注目されがちですが、窓の熱の出入りはフレームからも大きく発生しており、素材の違いは暮らしの快適さ、電気代、結露、耐久性まで幅広く影響を与えます。


◆先日、窓のフレームの模型を使用して素材によってどんな違いがあるのか、実験を行いました。

 (Instagramに動画上げているので是非チェック✅して下さい)

 フレームの実験動画part1 / フレームの実験動画part2

現在の住宅に使われる主なフレームは大きく分けて3種類。

  • アルミフレーム
  • アルミ樹脂複合フレーム
  • オール樹脂フレーム

今回は、この3種類のフレームにそれぞれドライアイスを乗せて溶け方にどんな違いが出るかを見てみました🙂

動画では10分ごとに様子を見ています。

合計30後どの様になっているか確認しました。


~結果~

アルミフレーム

(一番左)

アルミ樹脂複合フレーム

(真ん中)

オール樹脂フレーム

(一番右)


◆アルミフレーム

ドライアイスはほとんど溶けてしまっています。

◆アルミ樹脂複合フレーム

樹脂の部分は残っていてアルミに触れている部分がアルミの形に溶けています。

◆オール樹脂フレーム

少し溶けてはいるもののアルミフレームと比べるとほとんど溶けていないと言えるでしょう。

〈実験のまとめ〉

やはりアルミフレームは熱が伝わりやすく、樹脂フレームは熱が伝わりにくい。

断熱性能を上げるならオール樹脂フレームが良いことが分かりました。


それぞれの素材はに得意・不得意があり、地域や家庭環境、リフォームの目的によって最適解は変わります。そもそも…

1. アルミフレーム ― 日本住宅の定番はなぜアルミだった?

長く日本の住宅で標準仕様だったのがアルミフレームです。

理由はシンプルで「丈夫・安い・加工しやすい」の三拍子が揃っていたため。住宅産業が大量供給を進めた時代のニーズにも合致していました。

▶ アルミの特徴

アルミは金属であり、熱を非常によく通します。

熱伝導率は樹脂に比べて数百倍と言われ、夏は外の熱気を室内へ、冬は室内の温度を外へ逃がしやすくなります。

▶ メリット

  • 耐久性が高い
  • 腐食に強く薄く作れる
  • 価格が比較的安い

▶ デメリット

  • 断熱性能が低い
  • 結露しやすい
  • 冬の冷気を伝えやすい

特に冬場の結露はアルミフレームの弱点です。ガラスと枠の結露がカビとなり、パッキンの劣化やダニの発生、住宅の寿命にも関わる問題です。

▶ 向いているケース

・価格重視

・賃貸や店舗などコスト優先

・結露対策より耐久性優先

ただし、住宅の性能が求められる現代では、アルミのみのフレームは少しずつ主役の座を譲りつつあります。

2. アルミ樹脂複合フレーム ― 断熱と耐久を両立した“現代の標準”

現在の新築やリフォーム市場で最も採用が多いのが、このアルミ樹脂複合フレーム。外側はアルミ、室内側は樹脂という構造で、双方のいいとこ取りを目指した素材です。

▶ 構造の考え方

外側にアルミを使うことで耐候性と強度を確保し、室内側を樹脂にすることで断熱性能と結露対策になります。特に夏の強烈な日差しや雨風といった屋外環境に強く、住宅の外観との相性も良い点が評価されています。

▶ メリット

  • 断熱性能が大きく改善
  • 結露が減る
  • 耐久性・強度も高い

▶ デメリット

  • 樹脂100%よりは断熱性能が劣る
  • アルミより価格は高い

全体のバランスが良く、住宅性能を追求する現在の市場では“標準仕様”と言っていい立ち位置です。

▶ 向いているケース

・一般的な住宅

・寒暖差のある地域

・結露や電気代を気にする

・価格も抑えたいが性能もほしい

“ cost-performance ”では最も優秀と言われます。

3. 樹脂フレーム ― 今後の標準!? 高断熱仕様

樹脂フレームはその名の通り、フレーム全体が樹脂で作られています。樹脂は熱伝導率が非常に低く、断熱能力が高い素材です。

▶ メリット

  • 断熱性能が最高ランク
  • 結露しにくい
  • 室温を保ち暖房効率が良い
  • 健康リスク(ヒートショックなど)対策にも◎

特に断熱性能は、電気代の削減や快適性、住宅としての資産性にも関わります。窓性能を上げるだけで“冬でも素足で過ごせる家”が実現するケースもあります。

▶ デメリット

  • 価格は高め
  • 枠がやや太く見えることがある
  • アルミに比べると外部耐候性に配慮が必要

ただし近年は雨風に強い設計やスリムデザインも増え、デザインと性能は両立しつつあります。

▶ 向いているケース

・寒冷地や寒さが苦手な家庭

・健康面を重視

・電気代を下げたい

・住宅性能にこだわる

・補助金を活用したリフォーム

4. リフォームの場合はどう選ぶ?

リフォームでは“目的”で選ぶのが正解です。

  • 結露対策 → 複合 or 樹脂
  • 電気代対策 → 樹脂
  • コスト重視 → アルミ
  • バランス重視 → 複合
  • 健康(ヒートショック等) → 樹脂
  • 海沿い → 樹脂 or 複合(潮風対策)

さらに補助金が絡む場合、樹脂や複合の採用で給付額が大きくなるケースもあり、結果的にアルミとの差額が小さくなることもあります。

5. 住まいの地域性も重要

例えば湘南周辺のように海風が強い地域は、潮による腐食を考慮した素材選びが有効です。一方で冬の寒暖差が大きい内陸部では樹脂の採用が快適性に大きく影響します。家族構成・ライフスタイル・築年数・日当たりなど、同じ地域でも条件は変わるため、現地を見て判断するのがベストです。

まとめ

窓のフレームは地味な存在に見えますが、住宅性能の根幹に関わる重要なパーツです。素材を変えるだけで、結露が消える、部屋が暖かくなる、電気代が下がる、健康リスクが減るなど、暮らしの質が明確に変わります。

リフォームや新築で窓選びに悩んだら、まずは“何を改善したいか”を整理しつつ、地域性や素材特性も考慮することをおすすめします。

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